商品世界における労働生産物の象形文字化 諸使用対象の価値としての規定性は、言語と同様な、社会的生産物 労働生産物が価値物として存立するのは、労働の主体がdas Manとしてgeltenすることにおいてであり、使用価値物として、有用労働の主体が抽象労働の主体として、まさしく言語交通と同じ二重の二肢構造(都合、四肢的な存在構造)で存立するわけであります。・・・この間の事情が最も直截に現れるのが一般的等価価値形態たる貨幣の成立している場面であり、マルクスが彼の有名な価値形態論において、使用価値物が価値物として、具体的人格が抽象的人格として、二重の二肢性において関わり合うところの相対的価値形態と等価価値形態との弁証法的な聯関構造、私どものいう四肢的構造連関を具体的に描出し分析していることは周知のとおりであります。わけても、一般的等価価値形態、貨幣としての貨幣の成立過程と存在構造に関するマルクスの所説は、言語の成立過程、言語的交通の存立構造と直接にアナロガスな論点を含んでおり、労働力市場の成立を俟った資本の総過程の分析、市場価格が成立している場面での構造に定位するとき、歴史的世界の構造を具象的に看取することができます。 p217 |