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(D) 商品存在の物神性, 一 商品世界の存在構造, III 歴史的世界の物象化論

2010/07/24 13:14 に 2010 seibunsite が投稿   [ 2010/07/24 13:19 に junichiro inutsuka さんが更新しました ]

商品の物神的性格とその秘密 抽象的人間的労働の凝結としての価値の謎

商品は「一見したところ平々凡々たるものにみえ」ますが、一面では使用価値という感性的な対象性として、多面では、しかも同時に、価値という超感性的な対象性として、つまり、レアールで且つイレアールな感性的で且つ超感性的な事物として定住するのであって、マルクスが書いておりますとおり、「分析してみると、商品は形而上学的な詭計にみち神学的な意地悪さでいっぱいの甚だ厄介なしろおのであることが判り」ます。   p207

「商品という形態の秘密に満ちた在り方は単に次の点にある。すなわち、商品形態は、人びとの目に、彼ら自身の労働の社会的性格を労働生産物そのものの対象的性格として、これらの事物が自然物として具えている社会的属性として反映させ、従ってまた、総労働に対する生産者たちの社会的関係を彼らの外部にある対象物の社会的関係として映ぜしめるという点にある」。「この倒錯視によって、労働生産物が-感性的でしかも超感性的な、ないしは社会的な、事物-商品になるのである・・・商品世界では、人間の手の生産物が、固有の生命を賦与され、相互間に、そしてまた人間とのあいだに、関係を結びあう自立的な形象であるかのように仮現するのである」・・・マルクスによれば「労働生産物は、それらの交換の内部においてはじめて-使用対象性から分離された、社会的に相等な-価値対象性をうけとる」のであります。「抽象的人間的労働の凝結」という言い方そのものが、実は「人間自身の一定の社会的関係が仮現的物性の形態をとって現れる」商品世界における、汎通的な物神性に即した表現にほからならなかったのであります。   p208

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