構造structure、構造的structural フランス語を用いるヨーロッパの言語学会で構造という語について一般に用いられている用法に限って、最小限度の定義を与えることを可能にする、いくつかの特徴を強調してみよう。根本の原理は、言語は体系をなしているということである。しかもこの体系は、そのあらゆる部分が連帯関係と依存関係によって一つに結ばれているのである。この体系が単位を組織し、それらの単位というのは、分節された記号であって、相互に区別し合い、限定しあっている。構造主義の学理は、要素に対する体系の優位を説くものであって、形式上の範例におけると言連鎖におけるとを問わず、要素間の関係を通して体系の構造を明らかにすることを目標とし、かつ言語に生ずる変化の、有機的性格を示すものである。 |