動詞形を持ち込むやいなや、名詞文は、その本来の価値を失ってしまうのであって、その本来の価値というのは、言語表現と物の道理との間に含蓄されている関連の不変性non-variabiliteという点にある。名詞文が一般的真理を定義できるのは、表現を特定のものとする動詞形をすべて排除しているからである。 ・・・ 「名詞文の価値は、存在の動詞を伴った文と対照させてみるときに明らかになる。名詞文のほうは、二つの名詞的要素の間に等価関係をうち立てる、一種の定性的な等式である。・・・名詞文の述辞は、それが形容詞である場合にも、一つの本質的な価値を持ち、主辞の本質の欠くべからざる一部を表現するのに対して、存在の動詞の補辞complementは状況を示す価値しか持たず、(たとえ恒久的なものであろうとも)主辞のあり方の一つの偶有的性質しか表していないのである」 M.L.Sjoestedt p162 |