SONY 戸村さん 2010/12/16

2010/12/16 5:32 に junichiro inutsuka が投稿   [ 2010/12/16 5:33 に更新しました ]

ソニー株式会社 CSR部 シニアCSRマネジャーの戸村さんに、SONYが考えるCSRについて、具体的な活動の紹介とともにお話しいただきました。

CSRは企業にとって「持続可能性への挑戦」であり、イノベーションと健全なる事業活動を通じてそれを果たすのだ、というお話しの中で、創業者のお一人である井深大氏に触れられたのが大変に印象的でした。

井深氏が、東京通信工業(ソニーの前身)を興した際、設立趣意書に書かれた「真面目ナル技術者ノ技能ヲ、最高度ニ発揮セシムベキ自由闊達ニシテ愉快ナル理想工場ノ建設」という言葉は、昭和の日本人に限らず多くの人に知られるものですが、戸村さんはここに、今日の社会起業家の精神と同じものを読み取られます。社会の矛盾や問題を、事業を通して解決し、人間の社会の可能性を追求してゆこうとする精神です。「企業は社会の公器」とはよく言われますが、現実の具体的な意志決定は別の原理でなされている例の方が一般には多くみられます。そのような市場原理を超えたところにある企業倫理としてCSRを捉えることは、創業精神の今日性につながるものというわけです。

まさしく全地球的に事業展開するSONYグループを通してのCSR活動事例については、環境問題やミレニアム開発目標(国連)を軸に紹介いただきました。特に2010 FIFA World Cup South Africaに際して取り組まれたDream Goal 2010というプロジェクトは、見ていても楽しいものでした。主に4つ、TV普及の低いカメルーンとガーナの地方部を回ってパブリック・ビューイングを設置する事業、子供たちが長く遊べる丈夫なアフリカ仕様のサッカーボールの開発と配布、子供たちをゲーム観戦に招待するチケット・ファンド、そして参加型のデジタル映像制作・発信教育プログラムであるシヤコナ(We can do it)。パブリック・ビューイングの会場(のべ24,000人参加)では、HIV検査も併設されたといいます(4,800人が受診)。

このような活動紹介を通じて感じたのは、SONY社員の参加のあり方です。それは金額や参加者数だけでなく、電気設備のない野外でのTV映像投影のための機材設置や、植物プラスチック素材を用いたオリジナルなサッカーボール開発に代表されるように、課題解決に対して自分に何ができるのかと捉える姿勢だといえます。Someone Needs You(S.O.N.Y.)というボランティア推進プログラムがあるそうです。新製品開発に取組みながらも、子供たちの科学する心を育む教育事業への支援を続けていた、井深氏の精神を受け継ぐものなのでしょう。

CSRを通じて、これからの社会と企業のあり方を再考させられる機会でした。

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